市内で工事中の建物の外壁が仕上がってきました。

この建物は鉄骨造。鉄骨造の建物は、簡単に言うと地震の時などは大きく揺れて地震の力を吸収します。
なので、ちょっとした地震でも、風でも、たまには人がとび跳ねたりしても建物が揺れるのです。
もちろんそれでも安全性には変わりはありません。
そんな鉄骨造建物の外壁材は、揺れても、動いても問題のない材料、工法が選ばれます。
そうしないと、建物の揺れによってヒビが入ったり、ひどいと外壁が剥がれ落ちたりしちゃいます。
そんな理由から、今までは、昔ながらの左官の職人さんがコテでセメントモルタル、漆喰等硬く固まる材料を
塗って仕上げる「左官仕上げ」を鉄骨造の建物の外壁仕上げに用いることはあまりありませんでした。
でも、建築家はたまに「鉄骨造だけど、左官仕上げの外壁にしたい!!!」などとわがままを言います。
そんなわがままな要望に応えてくれるありがたい工法があり、そんな工法を今回、初めて採用してみました。
まずは、下地になる板材を建物の鉄骨に張りつけます。
この材料、なんとmade in MEXICO!! メキシコ産って今までテキーラしか知りませんでした。
そんなはるばる海を渡って日本にやってきた材料を建物の外部全面に張り終わったら続いて、
その板と板の継ぎ目の処理をします。
網状のガラス繊維の布(白)を塗りこめながら、丁寧に継ぎ目処理をします
この継ぎ目処理部分が乾いたら、網状の緑色のガラス繊維シートを外壁全面に専用の下地材を塗りながら、
再度塗り込めます。
これで下地処理の完了。ヒビの入りにくい丈夫な左官下地が出来上がりました。
最後に専用の外壁の仕上げ材を塗って完成です。
仕上がり状況はこちら・・・

足場が邪魔で少々見にくいかとは思いますが、ここまでが わがままな要望に応えてくれる
ありがた~ぃ工法の一部始終です。
とりあえず外壁はこれにて完成です。ぱっと見ると当たり前の作業の流れかもしれませんが、
これを行うために職人さんはメーカーの講習、実技研修等を経て今回の作業にあたっております。
出来上がってしまえば、そんな下地の工夫、苦労等は分からないと思い、今回、ご紹介させていただきました。
建物完成までもう少し、次は完成のご案内ができるのではないかと思います。